山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

海外の状況

アルプスのスキーリゾート、住民の42.4%が感染か

インスブルック医科大学のプレス発表
(ドイツ語)

オーストリアのスキーリゾートであるイシュグルでは、3月に大規模な集団感染が発生した。今回、インスブルック医科大学ウイルス学研究所が、2020421日から27日において抗体検査を実施し、住民の79%に相当する1,473人の被験者(大人1,259人、子供214人、479世帯)が参加した。その結果、42.4%(18歳未満の子供では27%)において抗体陽性であることが判明した。これは、以前のPCR検査で陽性と判定された人の数の約6倍(子供では10倍)であった。
この調査では、アンケートを使用して、感染の経過についても調査した。抗体検査で感染していたことが判明した人の大多数は、味覚と嗅覚障害、その後の発熱と咳があったが、新型コロナウイルスに感染しているとは気づかなかった。子供たちの多くは無症候性であった。研究参加者のうち、病院での治療を要したのは9名のみであった。
(コメント)
抗体検査は2種類のキットで行い、両方とも陽性の場合のみ陽性と判定。1キットのみが陽性の場合は、ウイルスの中和活性の結果で判定を行っており、信頼性の高い調査であると考えられる。

ニューヨークの医師が自死(4月29日 各社)

ニューヨークで新型コロナウイルス感染症の対応に当たっていた医師が、自らも感染し、自宅待機中に自死した。
https://www.afpbb.com/articles/-/3280861?cx_part=top_latest
医療従事者には大変な肉体的および精神的な負担がかかっています。社会を支えて頂ている医療関係者や他のエッセンシャルワーカーの方々に対する偏見や差別を何としても無くさなければなりません。
報道機関へのお願い

実際の死亡者数はもっと多いか (4月25日 New York Times誌)

黒木登志夫先生に記事をご紹介頂きました。
世界12か国における3月から4月にかけての死亡者数を、過去の平均と比較した。どの国においても、平均より死亡者数は急激に増加している。報告されている新型コロナウイルスによる死亡者数に比べて、この12か国だけで36000人多くが死亡した可能性がある。この数字には新型コロナウイルスによる直接的な死亡に加えて、医療体制の逼迫により他の病気等で死亡した数も含まれる可能性がある。一方で、都市封鎖用により、交通事故死等は減少している可能性もある。エクアドルでは、報告されている新型コロナウイル死亡者数は500人程度であるが、実際には7500人程度が死亡している可能性がある。インドネシア(ジャカルタ)では84人の報告に対して、1600人が死亡している可能性がある。日本でも、多くの死者が見逃されている可能性がある。
https://www.nytimes.com/interactive/2020/04/21/world/coronavirus-missing-deaths.html

ニューヨーク市では5人に1人が感染か (4月23日 各社)

ニューヨーク州では4月20日に3000人を対象の抗体検査を開始したが、23日、クオモ知事が暫定的な結果を公表した。それによると州全体では13.9%の陽性率であった。地域によりばらつきが大きく、ニューヨーク市では21%、その周辺地域でも10%以上であったが、州の他の地域では4%以下であった。ニューヨーク市では5人に1人、州全体では7人に1人がすでに感染している可能性が示唆された。これを州の人口に当てはめると270万人がこれまでに感染したことになり、PCR検査で判明した感染者数の10倍に相当する。報告されている死者は1万5千人であるので、実際の致死率は0.5%くらいかもしれない。
抗体検査は多くの種類が出回っているが、品質にはばらつきがある。今回の検査では、州が品質を確認したものを用いたとしている。しかし、基準値の設定により結果が大きく変わる。基準を厳しくすれば、偽陰性(本当は抗体を持っているのに陰性と判定)が増える。一方、基準を緩くすれば、擬陽性(本当は抗体を持っていないのに、陽性と判定)が増える。今回の調査では、基準を厳しくしたと関係者は語っているので、真の陽性率はもっと高い可能性がある。一方で、今回の調査はスーパーマーケットの来客から無作為に抽出して行ったため、外出の機会の多い(=感染の機会の多い)人に偏っている可能性も指摘されている。
(コメント)
特筆すべきは公表の速さ。20日に調査を開始し、23日に暫定結果を公表した。日本でも厚労省が献血サンプルで抗体検査を行うという報道があった。素早い情報公開が求められる。
カリフォルニア州での同様の調査では陽性率は2~4%と推定されている。同州では集中治療室のベッド数にはまだ余裕があるとのことで、これくらいの広がりであれば医療崩壊は起こらないと推察される。一方、ニューヨークのように急激に10%を超えると医療崩壊の危険が生じるのであろう。日本は、慶應大学病院の術前検査では、無症状の67名中4名(6%)がPCRで陽性であった。抗体検査の結果が待たれる。

https://www.nytimes.com/2020/04/23/nyregion/coronavirus-antibodies-test-ny.html

サンフランシスコの現況 (Business Insider 4月3日)

私の第2の故郷ともいえるサンフランシスコ、3月17日に外出禁止令が出て間もなく3週間です。同じころに感染者増大が始まったニューヨークに比べると、何とか踏みとどまっているという印象です。私のサンフランシスコの研究室は実験用マウスの最低限の管理以外は、閉鎖状態です。研究室メンバーとはメールやビデオ会議で連絡取り合っていますが、みんな冷静で、自分たちの対応に誇りを持っています。これまでは毎月、サンフランシスコに行っていましたが、次はいつ行けるでしょうか?向こうのアパートも心配です。日本の対策はサンフランシスコに遠く及びません。私たちは海外から学び、より厳格に対応していく必要があると思います。サンフランシスコの外科医、佐野先生から新たな情報を頂きました。

https://www.businessinsider.jp/amp/post-210495

ドイツの支援策 (NEWSWEEK日本語版3月30日)

25日、新型コロナウイルスによる経済への打撃を緩和するための総額7500億ユーロの財政パッケージがドイツ連邦議会で承認された。長年の財政均衡主義を改め、憲法で定められている借り入れ制限を一時停止、1560億ユーロの新規国債を発行する。さらに株式購入や企業への融資提供目的で設立するドイツ復興金融公庫が、必要に応じ最大2000億ユーロの債券を発行する。
ドイツの救済パッケージでとくに注目を集めているのが、フリーランサーや芸術家、個人業者への支援だ。モニカ・グリュッタース文化相は「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」と断言。大幅なサポートを約束した。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/post-92928.php
距離をとってメディア対応するメルケル首相

イタリアの状況(3月29日ABC サンステ)

7700人の医療関係者が感染、30名が死亡
(イタリア高等衛生研究所の発表)

世界の感染者54万人のうち、5万人は医療関係者 (3月27日 ニュースステーション )

医療関係者への感染は、病院内での集団感染(クラスター)発生、さらには医療崩壊につながります。
日本でも、一部の医療現場には相当の負担がかかています。医療関係者の献身的な活躍に心から感謝しています。

台湾の対策(3月22日 NHK)

新学期を2週間遅らせ、その間に準備。
学校で頻繁に検温。37.5度以上は帰宅。手洗いを徹底。
感染者が一人出ると学級閉鎖、2人で休校
オンライン授業を整備。
指揮官に大きな権限。毎日、会見。情報公開。
マスク等も政府が管理し、公平に分配。
健康保険証で購入履歴が管理できる。

武漢の現状(3月22日 NHKスペシャル)

今も、外出は厳しく制限されている。買い物は宅配のみ。発熱外来には列ができている。感染者は毎日出ている。

イタリアの悲惨な状況(3月22日 NHK)

ICUに2倍以上の患者が入院。半数以上が亡くなる。感染予防のため、家族は臨終に立ち会えない。遺体は袋詰めにされ、地中深くに埋葬される。埋葬場所は家族に知らされない。

バンコクで感染者が急増(3月22日 時事通信)

タイ保健省の発表。前日より188人増えて、599人人に。1月13日、中国以外で初めてとなる感染者が確認されたが、その後は微増であった。しかし今月中旬から、バンコクのナイトクラブや格闘技ムエタイの会場で多くの感染者が出ている。
(コメント)
高温多湿のタイでの感染者急増していることから、新型コロナウイルスの勢いが5月6月になって減弱することは期待しない方が良さそうです。

韓国による対策の現状 (3月21日 TBSニュースキャスター)

韓国ではドライブスルー検査などにより、感染者の発見に注力している。検査だけでなく、買い物や図書館など多くのことをドライブスルー化し、Social distanceを徹底している。患者は、軽症、中症、重症、最重症の4つに分類し、異なる対応を取る。企業の研修センターなどを転用し、全国に27か所の生活治療センターを設置。軽症の感染者を隔離している。医師が24時間待機し、重症化に備えている。
PAGE TOP